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ラグビーW杯前年最後のロシア戦へ。
世界が警戒を深めるジェイミーJ。
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNobuhiko Otomo
posted2018/11/21 16:30
名門チェルトナム・カレッジ(1841年創立)のグラウンドで練習していた日本代表の面々だが……地面が斜めだった!?
日本の基礎力は向上したが……。
イングランド戦から一夜明けた11月18日、日本代表一行は、今秋の最終戦となるロシア戦(24日)に向け、試合が行われるグロスターの隣町チェルトナムに移動した。
「案外、痛くないです」
「いつもの試合と変わりません」
日本代表の選手たちは、ほとんどが、イングランド戦の消耗ぶりについて訊ねた記者に、「たいしたことないです」と答えた。「オールブラックスほどではない」という答えもあった。
「オールブラックスのときほど走らされなかったからね」と答えたのはLOのヴィンピー・ファンデルヴァルトだった。
やはり、サンウルブズでの戦いをはじめ、世界トップレベルの相手との試合経験が飛躍的に増えていることが、日本代表の基礎力を高めているのだ。
見方を変えると、高まっている基礎力に見合った結果がなかなか出ていないともいえる。
前回W杯よりも大会前成績が悪い!?
2015年ワールドカップでの躍進の後の3年間、「ティア1」と呼ばれる世界ラグビーの主要10カ国との対戦は12試合にのぼったが、勝ったのは今年6月の対イタリア第1戦だけだった(他に昨秋のフランスとの引き分けがある)。前回ワールドカップ前の3年間は、5戦して2勝3敗だった(勝った相手はウェールズとイタリア)。
試合数は倍以上に増えたのに、勝ち星自体は減っている。
前回のワールドカップの躍進により、日本は世界から警戒されるチームになった。
スケジュールの関係などから、日本戦には経験の浅い若手を多く当ててくるチームはいまも多いが(オールブラックスは今秋の日本戦の先発メンバーにノンキャップ2人、1キャップを2人、リザーブにはノンキャップを6人並べた)、日本への対策はどこのチームも施してくる。
2013年に来日したウェールズや、前回ワールドカップの南アフリカのように油断してはくれないのだ……。