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ラグビーW杯前年最後のロシア戦へ。
世界が警戒を深めるジェイミーJ。
posted2018/11/21 16:30
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
15-35の敗戦。
相手はラグビーの母国であり、日本代表前ヘッドコーチのエディー・ジョーンズが率いるイングランド。舞台は聖地トゥイッケナム。見守った観衆は、日本ラグビーのあらゆるカテゴリーで初めて経験する8万1151人という大観衆だ。
その戦いに、日本は15-35で敗れた。
前半は15-10と日本がリードした。
リーチ マイケル主将が縦横無尽、獅子奮迅のプレーでチャンスを作り、広げ、仕留めた。核弾頭の姫野和樹はタックルされても起き上がって走り、また倒されても一度ボールを離して起き上がって拾って走った。
日本の速攻に慌てたイングランドのフッカー、ジョージがプロフェッショナルファウルでイエローカードを受け、数的優位を得た日本はCTB中村亮土とリーチ主将がトライをあげた。
イングランドのファンが微妙な気持ちに!?
トゥイッケナムには、ちょっと不思議な空気が漂った。
もちろん単純に喜ぶわけではないが、自国の代表イングランドに向けて怒るでもない。強いて言えば驚きか。きっと8万の観衆は、初めて見る日本ラグビーのテンポの速さに、あっけにとられていたのだろう。
3年前、イングランドで開かれたワールドカップで3勝をあげた日本代表だが、聖地トゥイッケナムの芝を踏む機会はなかった。
この日スタンドを埋めたファンの多くは、テレビで断片的に日本の戦いを見たことはあっても、実際に戦いを見る機会はなかったに違いない。ボールを素早く動かし続ける日本のテンポの速さは、生で見ないと感じられない。
この日のトゥイッケナムでは定番の応援歌『スウィング・ロウ』の歌声も、前半の40分はほとんど聞こえなかった(記者の記憶では、開始3分にイングランドが先制トライをあげたときに少し聞こえただけだった)。
しかし、勝ったのはイングランドだった。