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日米野球ではこのサムライに注目!
岡本和真は東京五輪の主砲狙う。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySAMURAI JAPAN via Getty Images
posted2018/11/08 17:05
史上最年少で3割30本塁打100打点を達成している岡本和真。22歳の若きサムライは、東京五輪で輝けるか?
岡本の打撃は「国際試合向き」。
クライマックスシリーズ敗退後は、ジャイアンツ球場で調整を続けてきたが、実戦は10月19日の広島とのCSファイナルステージ最終戦以来。
「実戦をやっていた宮崎(秋季キャンプ)が羨ましかったです。見たことのない投手ばかりと言う試合なので……」
何事も初体験で戸惑いの連続だったが、その中で第1打席は台湾先発の左腕・江辰晏投手の123キロのチェンジアップを右飛。その後も遊ゴロ、二飛で9回1死一、二塁ではフルカウントから四球を選んで4点目のホームは踏んだが、結果は3打数無安打。
「バットのヘッドが出てこなくて。ぜんぜんでした」
初回の右飛はまずまずの当たりだったが、本人は不満そうにデビュー戦を振り返った。
だが、そんな岡本の打撃を「国際試合向き」と評するのは、2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など代表で活躍した井端弘和内野守備・走塁コーチだった。
「国際試合ではほぼアウトコースでしか勝負にこない」
井端コーチの国際試合論だ。
「大事な場面では外角中心の配球」
2013年のWBC第2ラウンド(日本)の台湾戦では、土壇場の9回に同点タイムリーを放って決勝ラウンド進出の立役者となり、大会打率も5割5分6厘は日本代表の“首位打者”だった。
その他にも2003年のアテネ五輪アジア予選や'07年の北京五輪アジア最終予選等でも代表入りするなど、国際試合を熟知している同コーチは、その難しさをこう説明する。
「左のいいスライダー投手やファウルでよっぽど粘ったりしない限り、基本的に大事なところではインコースにはこないと思った方がいい。こっちも手探りなら相手も手探り。そうなると、どうしても走者を置いた場面とか、勝負所の大事な場面では外角中心の配球になる」
これが国際試合の1つの大きな特徴だという。だとすれば、それをどう仕留められるかが打者には求められることになるのだ。