欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
ナントに復帰したハリルホジッチ。
恩師が振り返る“問題児”との日々。
text by
占部哲也(東京中日スポーツ)Tetsuya Urabe
photograph byGetty Images
posted2018/10/24 17:30
衝撃的な電撃解任から数カ月後、ハリルホジッチは再びテクニカルエリアで熱き血潮をたぎらせている。
解任後に見せた“自信”。
だが、ハリルは日本代表を電撃解任された。ユーゴスラビアからフランスに渡った1年目のように心が傷ついた。だだ、極東の地から欧州へ飛び立つ直前、メッセージ入りのユニフォームを手渡すことができた。その時、天性の自信家は胸を張り、大きくうなずいてこう言っていた。
「そう。これこそがフットボールだ」
ロシアW杯は幻に終わったが、甘美な香りが残る古巣へ道はつながった。そういえば今年3月のナントは、レスターをプレミアリーグ優勝に導いたクラウディオ・ラニエリが率いて上位につけていた。
だが、スオードさんはそのサッカーを見て「守備的でつまらない。今のナントじゃ駄目だ」とご立腹だった。
ピッチに美しき「動き」の軌跡を描いて攻撃的に勝つ。ハリル“新”監督はリーグ中断明けの2戦目で、4-0の大勝を飾った。恩師は大西洋に沈む夕日を見ながら、若き日は「ミュージシャンを目指していた」という弟子の凱歌をもう一度聞ける日を心待ちにしているのではないか。
日本代表解任から約7カ月。そんな想像をかき立てられるようになった。
ガニエ(勝て)! ナント!!