球体とリズムBACK NUMBER
マリノス中盤で闘う“おーつゆーき”、
チャラ男アタッカーが変身の理由。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2018/10/23 10:00
球際で闘い、攻守で貢献する。かつての大津祐樹からすれば意外だが、才能が生きるのはインサイドMFだった。
チームのために働く意義。
今週末のルヴァンカップ決勝は、ひとつの試金石となる。横浜にとって17年ぶりのタイトルがかかった試合では、彼がキープレーヤーのひとりになるだろう。
「監督のイメージをピッチ上の選手たちが共有して、同じ絵が描けるようになってきています。(指揮官の戦術に)最初は戸惑いもあったけど、良い部分と悪い部分が見えてきて、ひとつずつ修正して進んできた。
自分もこのチームでどう生きるかを考えて、このポジションに行き着きました。今のマリノスのサッカーは面白いし、これが正しいと証明するためにも、タイトルがほしい。もちろん、サポーターや嫁さんなど、支えてくれている人たちのためにも。僕にはそういう形でしか、恩返しができないので」
様々な変遷を経て横浜にたどり着いた28歳は、新たな地平に立ち始めている。これまでのところ、多くの変化はポジティブに作用しているようだ。持ち前の勢いの使い方を心得、物事を見る目を養い、「チームのために働く」ことに意義を感じている。
攻撃者の矜持を示す背番号9。マリノスの舵を握る元ポスターボーイは、新たな役回り「インサイド(MF)」で「もっともっと上を目指す」。宿っているはずの能力を想像すれば、限界はないだろう。