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酒井高徳から“若き代表”への言葉。
「19歳で代表入りするくらいないと」
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byAFLO
posted2018/10/16 11:30
ベテランとしての役割を一身に背負ってハンブルガーSVを牽引し続けている酒井高徳。
「若き日本代表」なんて言ってる場合じゃない。
そして最後に、2022年のカタールW杯へ向けて酒井からの“提言”を。
「『若き日本代表』という感じでいま日本では言われてるけど、22、23歳は、ヨーロッパではぜんぜん若くないので。その感覚、もうちょっとずらした方がいいんじゃないかって僕はずっと思ってた。
ムバッペもそうですけど、ドイツでも19歳の選手が代表に入ったし、そういう選手が日本でどんどん増えてこないと日本代表は強くならないと思うんです。
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日本も、いつまでもベテラン、ベテランと言っているのではなくて……困ったら急遽ベテランを呼ぶというような発想も含めて、とにかく、そういうことを全部避けた方がいいんじゃないかと、僕は正直思っています」
中島も南野も堂安も若くない。
ロシアW杯で全試合に出場し、4ゴール1アシストの結果を残してフランス代表の優勝に貢献したキリアン・ムバッペは19歳だ。
ドイツ代表には、9月からレバークーゼン所属の19歳、カイ・ハフェルツが招集されている。
オリンピック代表に重点を置かないヨーロッパでは、22、23歳が若手という概念はまったくないのである。その年齢は、もうクラブで主力を張る年齢だからだ。
そう考えれば、24歳の中島翔哉、23歳の南野拓実はもちろんのこと、20歳の堂安律も、もはや若いとは言い切れないのである。
根底には「日本のため」を思う気持ちがあるからこそ、酒井はこうした“提言”をするのだと思う。代表に対して厳しい言葉を述べる一方、「若くて才能がある選手がいっぱいいる」と言うように、日本代表のポテンシャルにも大いに期待している。「若手」の活躍を心から願っている――。
代表ウィークに入っても、日本代表の活動に向かうことは無くなった。だが、酒井の心は、いつでも“サムライブルー”とともにある。