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アーセナルでエメリが探す新布陣。
ガードは不安でも4-3-3が最適か。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto press
posted2018/09/07 17:00
監督は代われど、アーセナルの攻撃を担うのはやはりオーバメヤン(左)とエジルだ。
ラカゼットの相棒は誰が適任?
プレスをテーマとするエメリのスタイルにマッチするのは、アレクサンドル・ラカゼットだ。丁寧なポストワークや労を惜しまないチェイシングは誰もが高く評価し、ティエリ・アンリやロベール・ピレスといったOB連も、「ラカゼットをスタメンに」と期待を寄せる。さて、問題は相棒である。
守備でも尽力せよ、攻守の切り替えがやや不安なエジルの分まで働け、というのなら、ダニー・ウェルベックだ。長い距離のアップダウンを繰り返しても運動量が落ちず、どこで起用されても文句は言わない。
ただし、チャンスをよく外す。絶好機に空振りをする。シュートすべきシーンでパスをする。マンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた当時から、サポーターのため息を誘うケースが非常に多い選手だ。つまり、“攻撃”というアーセナルのテーマには即していない。
やはりオーバメヤンしかいない。
そうなるとやはり、ピエール・エメリク・オーバメヤンしかいない。守備技術では改善の余地があるものの、相手DFラインの裏に抜け出すタイミング、スピードは天下一品だ。
昨シーズンの13試合('18年1月に移籍)10得点が証明するように、ゴールセンスもピカイチだ。ラカゼットとの相性もすこぶるよく、心地よい連携で多くのチャンスを創出する。
そう考えると、全貌が明らかになってきた。ラカゼットとオーバメヤンの2トップ、背後にエジル。中盤はあくまでもトレイラが軸で、試合の流れ、対戦相手などによってジャカ、エルネニ、ゲンドゥージ、アーロン・ラムジーを併用する。
守備陣はCBがコシェルニーとマブロパノス、右にエクトル・ベジェリン(ステファン・リヒトシュタイナーの闘争心、経験値も捨てがたい)、左はナチョ・モンレアル。そしてGKレノというのが、今シーズンのプランAとして望ましい。