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横浜FMに憧れ湘南で育ち浦和で飛躍。
遠藤航の叶った夢と「もう1つ」。
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byGetty Images
posted2018/07/31 11:30
W杯に帯同したフィールドプレーヤーで出場機会がなかったのは、遠藤航を含むリオ世代の3人。4年後のチームに中心は譲れない。
4年後、子供たちに代表での姿を。
試合に出たいと疼いていた遠藤は、W杯からの帰国後、天皇杯を含む3試合でフル出場を果たす。結果的に移籍前のホームラストゲームとなったJ1・16節の名古屋戦では、CKからのへディングで2ゴールを決めた。これが浦和サポーターへの惜別のあいさつ代わりとなった。
「W杯という舞台に立ちたい。もちろんメンバーに選ばれて行くだけでも価値はありましたけど、プロである以上、試合に出なければ評価はされないと思っています。W杯のピッチに立ちたい。その想いが一段と強くなりました。
W杯で味わったいろんな悔しさを、まず2ゴールという形でぶつけることができた。でも得点がすべてではない。しっかりといいプレーを続けていくしかない」
フットボーラーとしての2つ目の目標は、ワールドカップで活躍することだ。
遠藤は25歳にして3人の子を持つ父親でもある。その子供たちの物心がつく4年後、カタールの地で日本代表のユニフォームを着る姿を見せる。ミッションはベスト8以上だ。
それを叶えられれば――タフで強靭な遠藤航というアスリートを育て支えた全ての人たちへ、少年の心を突き動かした天国にいる松田直樹を含めて、大きな恩返しになる。
実は昔は横浜F・マリノスファン。湘南で育ち、浦和で成長し、ベルギーへ。遠藤の大海への航海が、今始まった。