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渡邊雄太が次に進む道はどこ?
目指すべきNBAと日本代表の試合。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2018/07/21 08:00
ネッツの一員としてサマーリーグに出場した時の渡邊雄太。NBAと同時に、日本代表に参加できるかも気になるところだ。
NBAのロゴがある体育館だけど。
とはいえ、サマーリーグはサマーリーグ。ここで少しばかり活躍したからといって、それだけでNBA入りできるほど甘い世界でもない。渡邊自身もその点、きわめて冷静に考えている。
「NBAのロゴがある体育館で、ロゴが入っているジャージ(ユニフォーム)を着て試合をしたんですけれど、ここはあくまでサマーリーグ。ゴールはここではなく、次のトレーニングキャンプや、ロスター争いというところにつながる。だからNBAのコートに立ったからといって、全然浮かれてもいない」
実際、サマーリーグの試合を経験することで、明らかになった課題もあった。
中でも一番大きな課題は、以前から自身も挙げている身体の強さだ。たとえばインサイドでのポジション争いだったり、空中でのリバウンド戦だったり、ゴール下でのシュート時に接触プレーの中で決めきる力だったり、大学よりさらにサイズが大きく、力強い選手を相手に苦戦する場面が見られた。NBAとなれば、さらにもうひとまわりサイズが大きくなる。
ボーン・コーチも、渡邊がNBAレベルでやるために次に克服しなくてはいけないのはフィジカル面だと評した。
「当たられたときの衝撃を受け止められ、相手にそういう当たりを与えられるように、また、その中でリバウンドも取れるように、フィジカルの強さをつける必要がある。ディフェンス面ですばらしい感覚や本能的なものを持っていて、いつも正しい位置にいるのに、身体が細いから相手からの衝撃を受け止めることができない」
NBAだとさらに移動が加わる。
フィジカルの強さの課題は、単に押し合う場面だけの問題ではない。
サマーリーグのスケジュールは8日間で5試合。2連戦のあと、1日おきに3試合という、NBAではよくある試合日程だが、週に2試合が普通だった大学のスケジュールと比べると厳しい。体力には自信があるという渡邊だが、それでも試合が続くと、少しずつ身体に疲労がたまってくるのも感じ、中でも4試合目となったロケッツ戦では、足が重く感じたという。こういった環境やスケジュールの中で自分の持てる力を出すためにも、身体を鍛え、フィジカルを強くしていかなくてはいけない。
「(NBAでは)これにさらに移動も加わってとなると、本当に簡単なことではない。フィジカル面はずっと昔から(課題として)言っていることですけれど、改めて、このレベルは一段と違うと思いました」と渡邊。