ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「ベルギーの力は圧倒的、完璧」
トルシエすらフランス不利と予想。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2018/07/08 13:00
アザール、ルカクらワールドクラスが協調性をもってプレーする。ベルギーのチーム力には世界が感嘆している。
ネイマールは髪をなでていただけだ。
――ネイマールをどう見ますか。この試合の彼は何もしませんでしたが?
「ピッチの上で髪をなでているだけだった。私が監督だったら、彼を唯一無二の存在にはしない。
たしかに彼は、チームに何かをもたらしてくれる。ベルギー戦の彼は、フランスのムバッペのような存在だった。ドリブルで相手守備陣を引き裂くだけで存在意義はある。
ただ、彼を軸にしてチームを作るのは簡単ではない。いいアイディアであるとも思えない。違いは作り出せるが、今日、勝利をもたらすことができるのはベルギーが示したようなコレクティブだ。ベルギーは個の力も突出していたが、それ以上にチームがコレクティブに機能していた」
――今日のフランスとベルギーを比較したら、ベルギーが断然優れているということですね。
「ベルギーの力は圧倒的だ。セットプレーも優れているし、違いを作り出し得点も決める個の力がある。
フランスにはコレクティブな能力がない。プレーの哲学もない。自分たちのプレーはこれだという主張も表現もない。あるのは守備の強さと、ジルーの空中戦を頼りにする戦い方だけだ。どちらが強いかといえば、それは圧倒的にベルギーだ」
――ベルギー戦に臨むにあたり、フランスは戦術の再編成は不可欠ということですね。
「今の戦い方ではベルギーに通用しない。守備をベースにするのはいいとしても、攻撃をどうするかは根本的に考えねばならないことだ。それもとても限られた時間の中で」
――フランスにとっては難しい試合になる。
「ベルギーが優位であるのは間違いない。 コレクティブと個の力の融合はそれだけ進んでいる。予選でほぼすべての選手が得点を決めているのは、チームがそれだけ完璧であるということだ」
――ビッグゲームになると。
「それほどベルギーの印象は強烈だった。ネイマールとアザールを比較しても断然アザールだ。ネイマールはコメディアンで(笑)、レフリーを騙すことしか考えていない。本当にゼロだった。これでいいか?」
――メルシー、フィリップ。