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クロアチア、死闘制し20年ぶり4強!
モドリッチ&ラキティッチこそ心臓。
posted2018/07/08 11:45
text by
杉山孝Takashi Sugiyama
photograph by
Getty Images
死闘と言えるほどの激しい戦いだった。すべてを出し尽くした120分間、さらにPK戦の末に、クロアチアが20年ぶり2度目の準決勝進出を果たした。
世界がうらやむタレントを誇る、バルカン半島の「バトレニ」(クロアチア語で炎の意)。その中心にいるのは、やはりこの2人だ。
ルカ・モドリッチと、イバン・ラキティッチ。
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普段はレアル・マドリーとバルセロナという、世界的ライバル関係の一角を担う才能だ。
中盤の底に並んでスタートした2人のうち、まず存在感を見せたのはラキティッチである。
立ち合いで、ロシアは格上相手の常套手段として、まずは噛みついてきた。
これ以上ないほどに引いて守ったラウンド16のスペイン戦とは打って変わり、スタンドの大声援を受けて前線から猛然とプレスをかけてきた。オフサイドではあったものの、先にシュートまで持ち込んだのはロシアだ。
攻守に勘所を押さえたラキティッチ。
そんなホスト国に対して、「格」を見せつけたのはラキティッチだった。後方でのボール回しから一転、パスコースを消すロシアの最前線の2人の間へ強引にドリブルで割って入る。この力強い関門突破から、左への展開、さらに大きなサイドチェンジへとプレーがつながり、アンテ・レビッチのチーム初シュートへとつなげた。このプレー以降、ロシアのプレスは落ち着いた。
ラキティッチは、守備でも勘所を押さえる。その一端が、13分のロシアのカウンターへの対処に現われた。ロシアの攻めの基準点となるアルテム・ジュバにボールが入ったが、ドマゴイ・ビダと連係して、ライン際でプレーを遅らせ、味方が自陣に戻る時間を稼いで、決定的な形に持ち込ませなかった。