サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
W杯直前まで両国共に最悪のはずが……。
日本「突破」、韓国「敗退」の理由。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2018/06/30 11:00
主審の笛が吹かれた瞬間……前回王者ドイツのグループリーグ敗退が決まり、韓国代表は見事に“事故”(本文参照)を起こした。
日韓では、本大会初戦の最初の10分が違った。
今回は結果もまた、異例だ。
日韓両国が初めて同時にW杯に出場した'98年以降、ある点で日本と韓国の結果がはっきりと分かれたのだ。
一方がグループリーグを突破し、一方が敗退したのははじめて。
そこまでは突破、敗退の結果はすべて揃っていた。ちなみに日本が韓国の結果を上回ったのは南ア大会以来2度めだ。
では、日韓の何が違ったのか。
言ってしまえば、「本大会初戦の最初の10分が違った」。
“チームのピークがあったか、なかったか”
日本はコロンビア相手に、韓国はスウェーデン相手に攻めに出た。日本は速攻から6分にPKを得て、相手MFを1人退場にさせた。韓国は2本のシュートが相手DFに当たり、ボールはポストの横を過ぎていった。
その後の勢いが変わった。ただそこを論じるのはあまり得策ではない。ワールドカップまでの準備期間の4年間を“最初の10分”にフォーカスして考えるのは不釣り合いだ。
しかし、そこの背景に何があったかは見るべきところだ。
結果を見ると異例続きだったが、その過程では「より状況が悪くとも、直前まで変化を続けたほうが上回る」という法則は生きていた。
西野、シン両監督の準備過程での大きな違いはこの点にあった。
“チームのピークがあったか、なかったか”
シン・テヨン監督のチームは昨年11月10日にホームでコロンビアに2-1で勝利した(サランスクでの結果と同じだ!)。
就任5戦目で、そこまではW杯最終予選で2連続スコアレスドローにより辛くも突破、欧州遠征でロシア、モロッコに惨敗を喫していた。「韓国サッカーの凋落」と、チームへの批判は最高潮に達していた。