メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平がしたPRP注射ってつまり?
手術が腱の交換なら、注射は治癒。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2018/06/16 11:00
強いボールを投げられるピッチャーにとって、肘への負担は避けられないものだ。田中も大谷も、万全での復帰を待ちたい。
手術しないでいいのなら……。
ちなみにPRPは「パフォーマンス向上薬品と同じ効果があるのでは?」と疑問視する人々もいるようだが、現在は禁止薬物となっている「ステロイド」も、かつては炎症や免疫力を高める薬として使用されていたことがある。
紙幅がないので詳細は書かないが、大谷がPRPと併せて施したという幹細胞治療も、その細胞をどこから供給するのかがもう何年も倫理的な問題になっているそうで、そういうことにまったく無知だった「勉強不足」を思い知らされた。
だから、無責任なことは言えない。PRPや幹細胞治療をした大谷が、肘の手術をすることなく復帰できるかどうかなんて分からないし、「早めに手術をした方がいい」なんてことも言えない。
田中がPRPをやった時にもどこかの媒体で書いたが、肉体は機械の部品ではないので、本人の痛みや気持ちも考えず、そう簡単に「腱を取り替えろ」なんてことは言えない。むしろ、「手術しないでいいのなら、しない方がいい」と思う今日この頃である。