フランス・フットボール通信BACK NUMBER
元浦和のバジール・ボリの栄光。
「マルセイユは街そのものがクラブ」
text by
トマ・シモンThomas Simon
photograph byPatrick Gherdoussi/L'Equipe
posted2018/06/05 11:00
今でも25年前の栄光は色あせない……マルセイユの街では、バジール・ボリはずっとスター選手である。
「道のりは群衆で溢れかえり熱狂の坩堝だった」
「その決勝の3日後にPSGとの重要な試合があって、それに備えなければならなかった。
ただ僕らはずっと一緒で、全員揃ってマルセイユに凱旋した。空港から市内を経てベロドロームへと至る道のりは群衆で溢れかえり熱狂の坩堝だった。
それからはお祭り三昧で、僕らはPSG戦の前日もアルコールに浸っていた。
ところが試合ではアベディが僕にまた同じことを求めて、僕らが3対1で勝ってリーグ優勝も決めたんだ」
――あなたはマルセイユの人たちから愛されていたので、酔っ払って羽目を外しても許されたわけですか?
「いや、そんなわけじゃない。お互いに敬意はあった」
――これからも永遠に?
「そう、永遠に尽きることのない敬意だ。
誰もが1993年5月26日という日に、特別な思いを抱いて生きたわけだから」
「それでもいいシーズンだった」
――先日のEL決勝では、新しい世代が歴史を作る機会を得たわけですが……。
「それこそ僕が待ち望んでいたことだったのだけど……」
――決勝で敗れただけでなく、OMは来季のCL出場権獲得も逃しました。悲しいシーズンだったと言えるのでしょうか?
「ああ、悲しみに浸るのは当然だが、それでもいいシーズンだった」