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渡邊雄太に信頼できる代理人が――。
NBA入り果たす準備はできた。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2018/06/04 07:30
渡邊の代理人を務めるジョー・スミス。現役時代はマイナーリーグや欧州、南米のチームでプレーした。
「自分のプレーを見てもらえないのが一番嫌だった」
もちろん、ワッサーマンという後ろ盾の強さも魅力だった。
特に魅力だったのが、ワッサーマンが5月29日にNBAスカウトたちを集めて開催したプロデーだ。ワッサーマンと契約している10人の選手が、NBAチームのGMやスカウトの前でドリルやシュートなどを行い、スキルを披露する場だ。
今年のプロデーには、NBA全チームのGMやスカウトが見に来たという。大学最後の試合で足首にひどい捻挫を負った渡邊は、4月にNBAが開催したショーケース、ポーツマス・インビテーショナルでプレーすることができず、NBAスカウトの前でプレーする機会が少ないことが一番の心配の種だったのだ。
「自分のプレーを見てもらえないのが一番嫌だった。やっぱり自分を見てもらう機会が欲しかったので」と渡邊は言う。
さて、それでは渡邊が「自分のことを任せられる」と信頼した代理人のジョー・スミスとは、いったいどんな人物なのだろうか?
(注:古くからのNBAファンは、ジョー・スミスという名前を聞くと、1995年ドラフト1位指名でゴールデンステイト・ウォリアーズに加入した選手を思い出すかもしれないが、写真を見てもらえばわかるように、こちらのジョー・スミスはまったくの別人だ)
アラバマ大ハンツビル校では有名な兄弟だった。
スミスはアラバマ育ちで現在40歳。彼自身を入れた兄弟姉妹5人全員がバスケットボール奨学金を得て大学でプレーしていたというバスケットボール兄弟の一番上。ジョーを含め、5人中4人が所属していたアラバマ大ハンツビル校(NCAAディビジョンII)では、有名な兄弟だったようだ。
2006年にはシャーロット・ボブキャッツからNBAサマーリーグにも参戦している。NBAロスターにこそ入らなかったものの、3年前に引退するまで、マイナーリーグやヨーロッパ、南米のチームで合計14シーズンのプロキャリアを送った。
また、現役時代から、故郷アラバマに、子供たちのためのバスケットボール・アカデミーを設立し、コーチ兼経営者として関わってきた。現在は、弟の1人がその会社を経営しているという。