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渡邊雄太に信頼できる代理人が――。
NBA入り果たす準備はできた。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2018/06/04 07:30
渡邊の代理人を務めるジョー・スミス。現役時代はマイナーリーグや欧州、南米のチームでプレーした。
渡邊はFIBAワールドカップ予選に出場できるか?
日本のファンにとってもうひとつ気になるのは、6月29日と7月2日のFIBAワールドカップ予選に日本代表として出場できるかだろう。
渡邊としては、可能なら参加したいという意向はあるが、とはいえ、何らかの形でNBAチームが決まらないことには確定させることは難しい。ドラフトされた場合は指名されたチーム、そうでない場合ではサマーリーグのチームから夏の予定が伝えられ、そのうえで日程的、そして身体的に代表戦出場が可能かどうかを相談する必要があるからだ。
一方、日本代表側としては、大会1週間前、場合によっては数日前まで待ってでも渡邊をメンバーに入れたいかどうかの判断になる。
すでに渡邊だけでなく、スミスもラマス・コーチをはじめ、日本代表関係者とコミュニケーションを取り始めている。
「僕の状況はすごく理解してくれているので、お互いにとってベストな方法をなんとか見つけようということで、みんなが話し合ってくれています」と渡邊は言う。
そういった調整も、1人で何もかもやるのではなく、スミスが間に入り、アドバイスし、サポートしてくれるのは心強い。
選手と代理人ながら、よく似た2人。
思えば、渡邊とスミスはそれぞれ選手とエージェントという別の立場ではあるものの、キャリアの上では似たような状況にある。
世間的には、まだ広く知られている存在ではないが、成功するための道具をいくつも持っている。
渡邊の道具は長身と長い手、そしてディフェンス力、シュート力、バスケットボールIQ。
スミスの道具はバスケットボールやビジネスに対する知識、そしてワッサーマンという会社が持つコネクションや経験だ。
代理人と選手は常に二人三脚。信頼できる相棒を得た渡邊は、プロという大海原に乗り出そうとしている。