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安田尚憲、ロッテの二軍で修行中。
ドラ1先輩・平沢大河の助言とは。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/05/27 11:30
オープン戦初安打はサヨナラ打だった。キャンプ中から4番を任されるなど期待は大きい。
角中と安田の言葉は、似ている。
この話を聞いたとき、ふと角中勝也のことを思い出した。彼も以前のインタビューでこんなことを言っていたからだ。
「根っこの部分は不器用で変えられないところもあるんですけど、自分はとりあえず人から言われたことをやってみますね。自分は意外と器用な面もありますから。言っていることは矛盾しているかと思いますが、教わった打ち方をやってみたら昔の打ち方ができないといった選手は結構いるみたいなんです。
だけど、自分は全くそういうことがない。やってみてハマれば打ち方、感覚だったりを自分の引き出しとして中に入れておこうと考えますね」
角中と安田の言葉は、本当に似ているのだ。
オープン戦で.077と洗礼を受けた。
今春、安田はキャンプが終わるとそのまま一軍に帯同して、オープン戦にも8試合出場した。しかし、思うようなバッティングは出来ず、初安打を記録したのは9打席目になってから。結局、ヒットはこの1本のみで終わり、13打数1安打、打率.077。一軍の高い壁を痛感した。
プロのスピードに苦しむだろうとは、自身でも当初から想定していた。ヒット1本が出たときはほっと胸をなでおろしたが、一軍の投手達はそう易々と2本目を打たせてはくれなかった。
「高校からプロに入って来てスピード感とか難しいところがあると思いますし、ストレートに差し込まれないようにと意識してやってきたんですけど、それでも差し込まれているところがあったので、その辺は難しさを感じましたね」
そんなとき、声をかけてきたのが2歳年上で、安田と同じ高卒ドラフト1位でプロの門を叩いた平沢大河だった。
平沢は自身の経験から、ある助言を安田に送った。
「平沢さんも1年目は大変だったと聞きました。『1年目、いろんなことをやり過ぎて中途半端に終わってしまった』とも話していて、『自分がこれと決めたものがあるんだったら、それをやり通した方が良い』とも言っていましたね」