球体とリズムBACK NUMBER
バイエルンは三冠でレアルは3連覇。
CLで偉業狙う両雄、事実上の決勝か。
posted2018/04/24 11:30
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Getty Images
イタリアの首都に轟いた咆哮、無敵に見えたマンチェスター・シティの連敗、そしてジャンルイジ・ブッフォンの哀しすぎる最期──。
ドラマとスペクタクルに満ちた準々決勝を経て、今季も欧州クラブフットボールのベスト4が出揃った。
ローマ、リバプール、バイエルン、レアル・マドリー。チャンピオンズリーグの4強に、4カ国のチームが残るのは2009-10シーズン(インテル、バイエルン、バルセロナ、リヨン)以来のことだ。そのシーズン以降スペイン勢が常に2席を確保し、2012-13シーズンにはドイツ勢も2チームが名を連ねた。そんななか34年ぶりに準決勝まで辿り着いたローマと、2007-08以来のベスト4となったリバプールの健闘は賞賛に値する。
出揃った4チームを眺めると、大会史上最多となる8シーズン連続で準決勝に駒を進めたR・マドリーの偉業が際立つ。またバイエルンは昨季こそ8強止まりだったが、それまでは5季連続で4強に到達している。
優勝回数R・マドリーが最多の12回で、バイエルンが3位タイの5回。UEFAクラブランキングでは、R・マドリーが首位でバイエルンが2位につける。改めて言うまでもなく、両者は欧州クラブフットボール界の真の盟主だ。
25度目の対戦も、決勝では当たらない。
4月13日に行なわれた組み合わせ抽選の結果、彼らはここで激突することになった。事実上の決勝というフレーズも過言ではないが、実は大会史上最も多く対戦してきた彼ら(次の準決勝・第1戦が実に25度目)は、なぜかファイナルで当たったことがない。今回もフットボールの神様は、スペインの白い巨人とドイツの絶対王者の頂上対決を望まなかった。
ただし、一発勝負の決勝よりも2試合制のセミファイナルのほうが、強大な力と力のぶつかり合いをじっくりと吟味できる。横綱同士の大一番はできるだけ長く観ていたい。