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オリの新守護神・増井浩俊が貫く信念。
リリーバーへのこだわりは新天地でも。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2018/04/05 08:00

オリの新守護神・増井浩俊が貫く信念。リリーバーへのこだわりは新天地でも。<Number Web> photograph by Kyodo News

新天地では背番号「17」を背負う増井。細身の体から力強い速球を次々と投げ込む。

特に大事にしているのは“睡眠”!?

 ただ、それはやれることをすべてやり尽くすことが前提である。

「だから、そのために日々準備というものは誰よりもしっかりやっているつもりです」と増井は言う。

 準備の1つとして最もこだわっているのが“睡眠”だ。

「自分の体調次第ですが、目覚ましの音で起きるのではなく、自分のリズムで、自然と目が覚めるまで眠るようにしています」

 遅刻しないために最低限起きなければいけない時間にアラームはセットするが、できるだけ早く寝て、体が欲するだけの睡眠をとる。平均は7、8時間だが、オフの日には12時間眠ったこともあると言う。

平野が去った後、守護神の座に。

 今シーズン、平野佳寿がダイヤモンドバックスに移籍し、空いた守護神の座に、福良淳一監督は早々と増井を指名した。

 オープン戦で増井はその期待に応え、7試合に登板し、5安打1失点と安定感を発揮した。

 伊藤は、「昨年まで自分が打席に立っていたときは、『追い込まれたら終わりだな』と思っていました。実際受けてみると、まっすぐは強いし、スライダー、フォーク、チェンジアップと全球種の精度も1個1個高い。すごく安定感がありますし、器用だと思います。先発もできるピッチャーですから。

 タイプ的に、佳さんの球はドン! とくる感じですけど、増井さんはキレがある。回転数がすごく多いのかなというイメージです」と語る。

 ストレートとフォークが軸になるのは平野と同じだが、増井の武器は、そのストレートとフォークの腕の振りが同じだということだ。それはプロ入り後、増井が最優先にしてきたことである。

「フォークのときも、まっすぐと同じぐらい腕を強く振って投げられる。バッターはそれが嫌だと言うので、そこだけ練習してきました。たぶんまっすぐは、ここからもっと速くしようと思ってもなかなか難しいので、いかにそこの(腕の振りの)差をなくすかというところを追求するのが一番いいのかなと思って。

 フォークを投げるときは、まっすぐ以上に腕を振るぐらいのイメージで投げると、結構空振りを取れます」

【次ページ】 野球選手らしからぬ細身の身体と静かなオーラ。

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