猛牛のささやきBACK NUMBER
オリの新守護神・増井浩俊が貫く信念。
リリーバーへのこだわりは新天地でも。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/04/05 08:00
新天地では背番号「17」を背負う増井。細身の体から力強い速球を次々と投げ込む。
野球選手らしからぬ細身の身体と静かなオーラ。
「やっぱりコントロールを気にしたり慎重になると、腕が緩んだりするので、僕の場合、コントロールはアバウト。どこに投げるかということよりも、腕さえ振れば、少々甘くなっても相手の目をごまかせるかもしれない、というつもりでやっています」
抑えと言えば、平野やソフトバンクのデニス・サファテのような、屈強な体を持ち威圧感のある投手のイメージが強いが、増井はそうではない。細身だし、オーラをガンガン出しているわけでもない。
おそらく私服で大阪の街を歩いていても、今なら野球選手だとは気づかれないだろう。
増井のすごみは、一見それほど難しくないように見えて、でも実は極めるのが難しいことを、コツコツと極めて積み上げてきたことにあるのだろう。そうやって今まで揺るぎない居場所を築いてきた。
新天地でもそれを変えることはない。