球道雑記BACK NUMBER
菅野、野村と共に“大学ビッグ3”と……。
ロッテの左腕・藤岡貴裕、復活の道。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byKyodo News
posted2018/03/22 07:00
菅野智之、野村祐輔と共に「大学ビッグ3」と称された藤岡。ロッテ、DeNA、楽天がドラフト1位で競合した。
イチローが取り組む「初動負荷理論」を学ぶ。
イチローや岩瀬仁紀らが取り組む初動負荷理論を学ぼうと鳥取市内にあるトレーニング研究施設「ワールドウィング」に出向いて、自身の体の使い方を再確認した。
「もともと興味があって、大学の先輩の乾(真大)さんに『今度誘ってくださいよ』と話していたんです。でも、なかなか誘ってくれなかったので、『今年はマジで行きたいので、行くことがあったらお願いします』と話して、正直なところ誘ってもらったというよりも、強引についていった形なんですけど。でも、凄く良かったです」
よほどの手応えを感じていたのだろう。そう話す藤岡の表情が一瞬ゆるんだように見えた。
「体の使い方が良かったときの使い方じゃなくて、(体が)縮こまって、全体的に使い方が小さくなっていた部分があったんです。そういう所を、器具を使いながら大きく使う動きを身につけようと、小山(裕史)先生にも見てもらいながら色々なことを学べました。自分でも今回行って良かったなって思うんです」
その成果はたとえば、キャッチボールや遠投をしたときにも感じている。
「出来ているかどうかは別として、意識してやるようにはなりましたね。意識してやることによって多少は変わっている。今はそんな感じかなって思います」
昨年までとは違う彼の姿に、変化を期待できそうだ。
井口新監督から「先発として考えている」。
気持ちを新たにした藤岡の追い風になりそうなのが、昨年秋の井口資仁の新監督就任だった。
監督の初仕事として「みやざきフェニックス・リーグ」の視察に訪れた井口監督は、ブルペンで投球練習をする藤岡に声をかけ、「先発として考えている」と直々に伝えたという。
この件についても藤岡は話す。
「昨年も先発したい気持ちはあったんですけど、チームの方針もあってそうもいかなかった。自分の中でも何かしっくり来ない形でキャンプインした感じがあったんです。でも、今年は監督から『先発で』と直接言ってもらえましたし、自分も『先発したい』というのがあって、気持ちの部分でもキャンプに入りやすかったというのはあります。
そこで投げ込みだったり、投げない日もトレーニングだったり、ランニングだったりを精力的にできましたし、良いキャンプを送れたのかなと思いました。これを活かして、このままシーズンに入っていければいいと思ってやっています」