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移籍後2度目の2試合連続ゴール。
蘇った大迫勇也が代表で狙うものとは。 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byGetty Images

posted2018/03/21 11:30

移籍後2度目の2試合連続ゴール。蘇った大迫勇也が代表で狙うものとは。<Number Web> photograph by Getty Images

18日のレバークーゼン戦で9分に先制ゴールを挙げた大迫。フル出場で2-0の勝利に貢献し、今季初のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

監督の信頼は、まったく揺らいでいない。

 一方で得点が少なくても起用され続けるというのは、揺るがない評価を勝ち得たとも言える。2月の離脱時、ドルトムント戦を前に「ギリギリまでメンバーに入れるか様子を見たい」とルーテンベック監督が話し、試合当日まで様子を見ていたことからも、信頼の厚さは窺える。

 だが、ようやく上がってきた大迫本人の調子とは裏腹に、チームは大苦戦している。レバークーゼン戦に勝ってようやく17位に浮上したが、前半戦をわずか勝ち点6で折り返した影響はまだまだ大きい。

「難しい……ですね。(サッカーは)自分だけでやるわけじゃないのでね。自分が良くても勝てないこともあれば、自分が良くなくても勝てる試合がある。なかなかね……」

「気をそらしてもいいことないから」

 そんな一筋縄ではいかないシーズンだけに、大迫はあらためてメンタルを平静に保つことの重要性を説く。

「チームの結果? そんなの気にしてられない、やるしかないんです。開き直ってやるしかない。反省も大事だけど、開き直りも大事。でもいいメンタルで次の試合を迎えることが一番大事で、その(反省と開き直りの)バランスかな」

 大迫は負けた試合の後など、ミックスゾーンでノーコメントを貫くことも多い、取材者泣かせの選手ではある。だが、そこで無理をして口を開かないことも、大迫の言う“いいメンタル”を保つために、彼にとっては必要なことなのかもしれない。また“いいメンタル”をキープするためには、冷静な分析も必要だ。

「試合の映像はちゃんと見て、しっかり整理します。ほかに気をそらしてもいいことないから」

 要は試合に対して感情的になりすぎない、ということだろう。

「いい経験してますよ、大変だけど。ただ、しっかりと向き合うようにしていかないといけないかな。これからのために」

 残留争いの経験も、自分次第で今後の糧になると考えている。

【次ページ】 代表でも「成功すれば何も言われない」。

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