スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
ジダンは戦略家としても超一流に!
スターを外し、守備重視でPSG撃破。
posted2018/03/10 07:00
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
Getty Images
ジダンが一皮むけた采配を見せた。
3月6日、パルク・デ・プランスで行われたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦のセカンドレグ。3-1で先勝したホームのファーストレグに続き、レアル・マドリーはパリ・サンジェルマンとの決戦を2-1で制し、8季連続の8強入りを果たした。
この試合でジダンは負傷明けのモドリッチとクロースに加え、イスコとベイルまでベンチに温存。代わりにアセンシオ、ルーカス・バスケス、コバチッチら控え組を先発起用したのだが、この決断が見事にはまったのである。
「2人を中盤に加えた4-4の2ラインを形成することが重要だった。サイドバックを交えた相手のサイドをよく抑えてくれた」
試合後そう説明していた通り、この日ジダンはアセンシオとルーカスを中盤の両サイドに配置した4-4-2のシステムを採用。彼らが守備時にサイドバックのカルバハル、マルセロをしっかりサポートすることで、ムバッペやディマリアがサイドバックの攻め上がりを交えて仕掛けてくるパリ・サンジェルマンのサイド攻撃をシャットアウトすることに成功した。
アセンシオとルーカスの守備が得点に。
しかもレアル・マドリーの2ゴールは、いずれも2人の積極的な守備から生まれている。
後半6分の先制シーンでは、アセンシオが前線でアウベスからボール奪取し、そのまま持ち上がるとルーカスにスルーパス。そのルーカスの左足クロスをクリスティアーノ・ロナウドが頭で押し込んだ。
同35分にはルーカスがインターセプトしたボールがクリスティアーノに渡る。すかさずルーカスがクリスティアーノを追い越してスルーパスを受け、ゴール前右からクロス。これは相手DFにクリアされるが、ボールを拾ったカゼミーロのシュートが勝ち越しゴールとなった。