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「貴史マジ変わった、すげー笑う」
原口元気と宇佐美、独2部からW杯へ。
posted2018/03/08 11:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
新天地を探し出し、心機一転立て直しを図り、前向きな兆しを感じ始めたその矢先に、不可抗力のアクシデントに見舞われる……というのが、2018年に入ってからの原口元気の状況だ。
そのアクシデントは予想外に大きく、タイミングとしても事態としてもたまったものではなかったが、今はそれも乗り越え、再び前進しようとしている。
原口は冬の移籍市場でヘルタ・ベルリンを離れ、フォルトゥナ・デュッセルドルフに新天地を求めた。今季のヘルタでは苦難の連続で、リーグ戦で先発は2回のみ。しかも先発したうちの1試合ではラフプレーで一発退場している。
出場機会の大幅減は契約延長を求めるクラブと、移籍を望む原口の間で確執が生まれ、感情的にこじれにこじれた結果だった。
原口はいくつもの選択肢を検討した結果、2部での戦いを選択した。移籍からすでに時間は経っているが、当時の心境について率直に尋ねてみた。
2部への抵抗よりも、試合に出たい。
自身にとってキャリア初となる2部への移籍、そのことに抵抗はなかったのか。
原口は少しシニカルに笑い、こう答えた。
「いや、ないわけないじゃないですか。考えたことすらなかったし」
質問に腹を立てるでもなく、理由を続けた。
「でも移籍を考えるなら、そこで試合に出なきゃいけない。W杯に向けてコンディションを上げられて、自分の良さを取り戻せるのはどこかなと考えて、いろんなクラブや監督たちと話した。その中で、このチームが一番必要としてくれた」