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東京五輪のナインが見えてきた!
2年後が楽しみになった侍J強化試合。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/03/06 11:00
第2戦で活躍した22歳の上林。“稲葉2世”の呼び名の通り、勝負強い打撃を見せてくれた。
すでに五輪を強く意識してプレーする選手達。
12球団の主力とスター選手が揃う代表だが、全員が3番や4番ではチームとしてのつながりを失う。
それだけに振り回すだけではなく、安打を打ててなおかつ、必要なときにはつなげる打者をいかに見出していくか。
「バントや進塁打など、このメンバーの中でも役割を理解している。チームに帰っても続けられれば、ジャパンでのつながりを求める場面で必要な選手になる」
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稲葉監督の松本評だ。
一方、第2戦では不発のクリーンアップを救ったのが野手最年少の22歳、上林だった。
初回の2死満塁では必死に走って投前適時打で1点を奪うと、9回には左中間を破る二塁打でパワーも見せつけた。打撃フォームが似ていることから“稲葉二世”と呼ばれる監督の秘蔵っ子も、2年後の侍の中心へとイメージを膨らませる素材であることは間違いない。
「コメントを聞いていますと、選手が『オリンピックに向けて』とみんな言ってくれていますので、少しずつそういう意識を持ってくれているのかなと感じています。すごくいいことだと思っています」
開幕直前にフル代表の試合を組むことには賛否がある。ただ、これだけのファンが集まり、そして選手の視線の先には2020年の東京五輪でのメダルが見据えられている。
2年後のチームのイメージが作れたことに、この2試合の意味は十分にあった。