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「ブラジルW杯前と、状況は同じ」
森重真人、復活へのロードマップ。 

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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photograph byGetty Images

posted2018/02/27 17:00

「ブラジルW杯前と、状況は同じ」森重真人、復活へのロードマップ。<Number Web> photograph by Getty Images

日本代表として国際Aマッチで41試合プレーしている森重。その経験は、必ずロシアW杯でも役に立つはずだ。

4年前、ブラジルW杯前と同じ状況だ。

「今年は自分の中で、やりたいことがたくさんあり過ぎるシーズン。FC東京の再生、ロシアW杯出場。どれが一番か……いや全部成し遂げたい。

 4年前、ブラジルW杯を迎える時と、状況は同じだと思っている。(吉田麻也、今野泰幸のレギュラー陣がいた中で)自分はあの時と一緒で、今回も追いかける立場。はっきりとした目標がある。代表復帰、W杯に向けてどうコンディションを高めていくか。その意味では、やっぱり前回大会と同じ感覚です」

 吉田や槙野、昌子らライバル勢をどう見ていたかについても率直に聞いた。

「正直、他のセンターバックのことを、これまでの間は考えられなかった。特にケガをしていた最中は、他の選手を詳しく見る余裕もなかった。

 でも、自分が復帰して、ここからシーズンが始まっていけば、彼らとの競争という現実を見ていかなければならない。だから、本当に焦ってはいないです。まずは自分のことに集中しないと」

W杯での悔しさは、W杯でしか晴らせない。

 彼の戦歴を辿る上で、ブラジルW杯初戦は避けては通れない。

 コートジボワール戦の後半、チーム全体が相手の攻勢に晒される中で日本は苦しい対応を強いられていく。そして、サイドからのクロスをFWのボニーにヘディングで合わされ失点。背中越しに競り負けたのは森重だった。

 そして次戦以降、先発は今野になり、彼はベンチから日本の敗退を見つめた。

 この4年間、あの悔しさを噛み締めながらやってきた。

 W杯出場にこだわる理由――それは、あの悔しさを晴らすことができるのは、あの舞台しかないからである。

「いいことばかりではなかったけど、自分なりにこの4年間取り組んできた。それを、もう一度あのW杯のピッチで出したい。その気持が一番です。

 でもそのためには、まずは代表の席(ポジション)を奪い返さないといけない。それにはここ(FC東京)でいいプレーをする、そしてチームを良くする。それしかない」

 変に包み隠すことなく、はっきりと明言した。ポジション奪取。目標は誰よりもはっきりしている。

【次ページ】 「まずは目の前のことですね」

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