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楽天に生粋の地元スター誕生か!?
ドラフト6位・西巻賢二の逸材性。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byGenki Taguchi
posted2018/02/22 08:00
しぶといバッティングができ、守備力も上々、チームプレーに徹する西巻。果たして開幕一軍はあるか!?
二種類の木製バットで練習する意味とは。
しっかりとバットを振る。
そのために、西巻はキャンプから2種類のバットを試す。
全長の真ん中に重心があり扱いやすいミドルバランスのものを主に使用しているが、先端部に重心があるトップバランスも「ヘッドを利かせやすいから」と導入しているという。
ただし先が重い分、スイングをコントロールしづらいリスクもあることから、85センチのミドルバランスよりも5ミリ短くし、少し扱いやすいような配慮もしているという。グリップの形状なども、今後、より突き詰めていくそうだ。
この西巻の探求心、そして、野球への冷静な取り組みが結果となって表れたのが、実戦形式のシート打撃だった。
3打数2安打に梨田監督も驚く。
チームでいの一番に打席に立った西巻は、ドラフト1位・近藤弘樹のストレートを叩き、左中間を破る三塁打を放ち周囲の度肝を抜く。さらに、昨年、1年目ながら中継ぎとして大車輪の働きを披露した変則左腕、高梨雄平の内角のボールをレフト前へしぶとく打ち返した。
3打数2安打。
この結果に、梨田監督が舌を巻く。
「もう、ビックリするようなバッティングでした。初めての打席で2ボールから球種を絞ってスリーベースにしてね。高梨のインコースにも、詰まりながら体をうまく回転しながら打って。あのボールは、芯でとらえるとファウルになっちゃう。技術的にも難しいんですよ。
最初は『打つほうは時間がかかるかな?』と思っていたけど、(ベテランの)渡辺直人と遜色ないくらい打ち返していた」