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渡部暁斗が欲しいのは金メダルだけ。
「2という順位、数字は見飽きた」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2018/02/04 11:00

渡部暁斗が欲しいのは金メダルだけ。「2という順位、数字は見飽きた」<Number Web> photograph by AFLO

五輪を前にした大会で3連勝。日本人選手団の中で渡部は抜群の上昇ムードだ。

W杯総合成績は過去6シーズンで2位、3位が3度ずつ。

 そんな渡部が、渇望してきたものがある。オリンピックでの金メダルである。世界のトップを争う位置に長年いながら、世界選手権やワールドカップ総合成績では優勝したことがない。

 世界選手権はラージヒルで銀メダルを獲得したのが最高成績で、ワールドカップ総合成績は過去6シーズンで2位が3度、3位が3度だ。6シーズン続けて3位以内にいることは渡部が上位に常にいることを示しているし、不調に陥ることもなく世界のトップ争いを継続してきた証明でもある。

 ただ、渡部自身にとっては納得が行く結果ではなかった。

 それを埋めるのは1位になることしかない。

「『2』という順位、数字は見飽きました」

 渡部は言う。

「これまでと違う飛行曲線」を描くジャンプを習得。

 そのためにソチ五輪後の時間を費やしてきた。

 3シーズン、進化を志してさまざまな取り組みを積んだ。迎えたオリンピックイヤーは「得たものがたくさんあるので、それをいかして集中するシーズン」として、完成を目指した。

 今シーズンは開幕から表彰台に上がって変わらず上位の1人であることを示した。そして現在がある。

 平昌五輪開幕を前に、強みとなっているのはジャンプの調子が上がっていることだ。
それは微妙な感覚の部分だという。

「説明することは難しいです」

 開幕前に風洞実験で繰り返すなどこだわり続けてきた飛び出しの部分だろう。それによって、「これまでと違う飛行曲線」を描くジャンプを習得し、飛距離を伸ばせるようになった。

 そこにたどり着いたのも、逆説的になるが、飛び出しをとことん追求し、1つの型を作り上げていたからだ。だから形を変えても、もともとの型を持っているから、何を変えたかが自分で分かる。行き当たりばったりの修正ではない。

【次ページ】 「日本史上初の個人での金メダルを達成したい」

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