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ついにMotoGPに日本人ライダーが復活!
26歳の中上貴晶が狙う、夢の表彰台。
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2018/01/27 09:00
テストでは最高の走りを見せてきた中上。あとは……MotoGPの本番でどれだけ実力を出し切れるか、にかかっている。
「マルクも昔と同じように接してくれ、緊張感はない」
競い合うライダーたちの中でもっとも高い目標となるのは当然マルケスになるが、彼のことについて中上はこう語ってくれた。
「マルクはすでに4回のタイトルを獲得、MotoGPで6年目のシーズンを迎えるが、125cc時代は一緒に走っていた。
彼の印象は強烈! やんちゃでしょっちゅう転んでたけれど猛列に速かった。
今年はまた同じカテゴリーで走ることになるが、経験も実力も、想像以上に大きな差はあると思う。チャンピオンとしてのマルクは高い存在でも、彼と話しているときは10年前となにも変わらない。マルクも昔と同じように接してくれ、緊張感はないですね」
ヘレスで、ペドロサばりのタイムを叩き出した中上。
中上が初めてホンダのMotoGPマシンに乗ったのは、Moto2クラス時代の'16年シーズン終了後のスペイン・ヘレスだった。
ホンダチームの3日間の合同テストに特別参加。このテストに参加したことは公表されなかったが、このときの中上のタイムは、ホンダ・ワークスのダニ・ペドロサが同じ'16年シーズンのスペインGPでマークしたベストタイムに匹敵するものだったという。
ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)のスタッフは、「あの走りがMotoGP昇格の決め手になった。走行データを見てもうまく乗っていたし、MotoGPライダーとしてのポテンシャルは高い」と、高評価が下されたことが中上のMotoGPライダー誕生へとつながった。