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バスケ天皇杯は初戦から熱すぎる。
千葉の超高速守備か、栃木の意地か。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2018/01/02 17:00
富樫勇樹と田臥勇太。Bリーグが誇る2大スターの対戦を楽しめるのも、このカードだからこそだ。
「ジェッツの守りは、寄る動きがすごく速い」
名古屋ダイヤモンドドルフィンズのポイントガードである笹山貴哉は、ジェッツの守備を端的にこう表現した。
「ヘルプがすごく、チームでしっかりとローテーションしてくるんですよね」
川崎の北卓也HCも、初日の大敗を経て2戦目に勝利した後、こう話した。
「昨日のうちの選手は、千葉の仕掛けてくるディフェンスに対して慌てている感じでした。彼らの守りは、寄る動きがすごく速いので」
昨シーズン開幕前にジェッツHCに就任して以来、大野には選手たちに口を酸っぱくして言い続けてきたことがある。
すべてはディフェンスからだ、と。
「アドバンテージ」(長所)と「ディスアドバンテージ」(短所)という言葉をキーワードに、それぞれの選手が得意なプレーを出せるような役割を徹底させてきた。
マーク以外の味方が「ヘルプ」の動きを徹底する。
今シーズン、12月24日の名古屋戦まで26試合を戦い、平均失点数は71点。昨シーズンの74.2点から3点以上減っている。得点ランキング4位にギャビン・エドワーズ、6位に富樫勇樹が名を連ねているため攻撃力に目がいきがちだが、実は守備のチームでもある。そして、その強度はより一層増しているのだ。
相手がインサイドでボールを持てば、マーク以外の味方が「ヘルプ」の動きを徹底する。自分がマークする選手を多少フリーにしても、ボールを持っている選手に激しくプレッシャーをかける。その結果、相手はパニックに陥るのだ。
さすがにB1レベルだと、2日続けて対戦すれば相手は修正してくる。それでも初戦でジェッツが高勝率を誇るのは、経験しないと対応が難しいほど守備の圧力が高いからだ。