自分たちの強みをぶつけるだけでは、4年前と同じ。

　リスタートを強みに出来ていない現状では、ボールを持った日本のFWが激しいチェックを受けることも想定される。日本に直接FKを与えても失点のリスクが大きくないのは、試合映像をさかのぼっていけば読み取れるからだ。

　ピッチの「幅」を生かした相手の攻撃を封じるために、ハリルホジッチ監督はどのような戦略を構築していくのか。相手の攻撃を封じるだけでなく、勝点奪取の道筋をつけられるのか。

　自分たちの強みをぶつけるだけでは、4年前の繰り返しになる。相手の長所を消すことを最優先したサッカーに限界があることは、2010年の南アフリカが示唆する。

　過去2大会の経験を無駄にせず、日本のスタイルを明確にする。来るロシアW杯で、その第一歩を踏み出す。中長期的な視点に立つと、実はそれこそがもっとも重要なはずである。