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リヨン会長J.M.オラス会長の告白。
「ネイマールひとりに10億ユーロって?」

posted2017/08/24 11:10

 
リヨン会長J.M.オラス会長の告白。「ネイマールひとりに10億ユーロって?」<Number Web> photograph by Stephane Mantey

就任して30年、多くの歓喜をクラブにもたらしてきたオラス会長(写真中央、柵を掴む紺色のネクタイの人物)。サポーターからも絶大な信頼を寄せられる。

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エリック・シャンペル

エリック・シャンペルEric Champel

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Stephane Mantey

『フランス・フットボール』誌8月8日発売号は、その5日前にパリ・サンジェルマン(PSG)への移籍が公式発表されたネイマールの特集を大々的に組んでいる。

 移籍の経緯や背景、迎えるパリとフランスの熱狂と人々の反応、もたらす経済効果、イブラヒモビッチとの比較、ネイマール以前のPSGのブラジル人選手の系譜、バルセロナからの視点などなど、編集部の総力をあげて世紀の大移籍を取り上げている。

 この特集の次に来るのがリヨンのジャン・ミシェル・オラス会長のインタビューである。

 オフの選手獲得とリヨンの今季の展望、もちろんネイマールの移籍ともたらす影響についてもオラスは語っている。セジ・グループ(Cegid Group=企業向けのIT関連総合を取り扱う)の創設者にして会長であり、フランスでも屈指の新進実業家として知られるオラスは、1987年にオリンピック・リヨン(OL)グループを買収すると同時に、当時は2部リーグに所属していたリヨンの会長にも就任した。以来30年、リヨンはオラスの指揮のもと、フランスで最も財政的に安定した強豪クラブに成長し、2002~08年にはリーグ7連覇という偉業も達成した。

 財界人とクラブ会長のふたつの顔を持ち、G14代表やヨーロッパ・クラブ連合執行委員などサッカー政治にも深く関わってミシェル・プラティニとともに、「ファイナンシャル・フェアプレー」を推進してきたオラスは、ネイマール移籍をどう捉えているのか。エリック・シャンペル記者によるインタビューの抜粋をお伝えする。

監修:田村修一

過去30年、最高レベルのクラブ運営を維持してきた。

――この6月30日付けで、リヨンの年間売上額は2億4980万ユーロに達しました。実に15%という歴史的な成長率を示しています。

「それこそ30年の活動の成果だ。PSGと恐らくモナコを別にすれば、直接収入に関してリヨンはフランスで最も高い水準にある。

 資本金は2億5000万ユーロを越え、これはフランスサッカー界全体の資本金総額の60%にあたる。自分たちのスタジアムとトレーニングセンターを持ち、男女両方のアカデミーを運営している。ヨーロッパカップには21年連続で出場し続けているし、女子はチャンピオンズリーグを4度制覇した。最高とまではいわないが、決して恥じることのない成果だ」

――リヨンは、野心を達成できる経済的手段を持っていると?

「ああ、パリやモナコのような財力はないが、自分たちを満足させることができる本物のポリティックがリヨンにはある。リヨンが明日を見据えたクラブのひとつであるのは間違いない」

【次ページ】 ネイマールの移籍の何が問題かというと……。

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