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3泊5日で2試合の超強行日程は……。
FC東京の欧州遠征に選手からも不満が。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/07/30 07:00
今季のFC東京は優勝候補の呼び声も高かったが、折り返しを迎えて中位に留まっている。後半戦はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
チームを立て直すきっかけに、という狙いはわかるが。
篠田善之監督はこういう。
「厳しい環境でも戦えるということが、成長の糧になればと思います。なかなかこういう素晴らしいチームとできる機会はないので、そのために遠くまで来ました。クラブも実現のためにすごく努力してくれました。2年前はフランクフルトに招待されたのですが、今回は自分たちから働きかけました。前回の経験がすごくよかったので。当時はフランクフルトとの1試合だけで、物足りなかった。で、今回2試合組んだら2試合連続になってしまった」
チームは7月の中断期間前までの18試合を終えて、勝ち点25で10位。決して降格圏にいるわけではないが、大久保嘉人、太田宏介、林彰洋、高萩洋次郎、永井謙佑といった大物を獲得し、タイトルを狙って始まったはずのシーズンとしては物足りない。そんなチーム状況をどうにか立て直すきっかけにしようというのがこの遠征の狙いだった。
宿泊はビジネスホテル、若手の飛行機はエコノミー。
だが、選手たちは複雑だ。
もちろん遠征の意図もわかるし、普段はできない相手との試合ということもあって高揚感もある。経験値としては貴重な機会だということは百も承知だ。ただ、ホテルは清潔ではあるがビジネスホテルで、ベテランはビジネスクラスだったものの、若手選手は欧州までの飛行機はエコノミークラスだった。そんな厳しい条件で3泊5日で2試合、強行軍に参っている様子も見られた。
選手の中では、ベルギーでプレー経験のある林彰洋は前向きなグループだった。
「移動は大変ですけど、ここで試したやり方が決まればもっと選手が気持ち良く動けるかなというのが感じられる2試合だった。とはいえ日本に帰ったらここより10度くらい暑い中でやるから、同じことができるわけではない。やっぱりどれだけ体力を削らないようにするかも考慮しながらやらないといけないと思います。この半年、良い試合と思ったのは1試合もないから、立て直すきっかけにしたいです」