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3泊5日で2試合の超強行日程は……。
FC東京の欧州遠征に選手からも不満が。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/07/30 07:00
今季のFC東京は優勝候補の呼び声も高かったが、折り返しを迎えて中位に留まっている。後半戦はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
選手たちがビジネス的な意図を訝るのは?
選手たちが「ビジネス的な意図があるのでは」と思ってしまうのも無理はない。
FC東京の選手たちは、この2試合だけDMMのロゴが入ったユニフォームを着用していた。DMMといえば、ベルギー1部のシントトロイデンの株式を取得し、今後欧州サッカーシーンへと乗り出していこうとしている企業だ。
とはいえ、その効果を計るのはなかなか難しい。欧州での露出はクラブが公式サイトで中継したくらい。ドイツ中が注目する試合ではないから、ドイツへのアピールは薄い。日本国内へのアピールはいかほどのものなのかわからないが、いわゆる報道メディアの東京からの同行者はゼロだったことを考えても、結果は限定的だ。
欧州のクラブがアジアに来るのと同じ効果を、FC東京が欧州を訪れることで出すのはなかなか難しいだろう。ただ“東京”という名のついたクラブならば、もう少し展開のしようもあるように感じられた。
ただ欧州を経験するというのでは、なんとももったいない。とはいえ、スケジュール的にはこれがギリギリだということもカレンダーを見れば一目瞭然。もっと選手を大事にし、クラブをアピールし、そのうえで経験値を積むにはどうしたら良いのか。綺麗な解決策は浮かばないが、見ているものとしてもいろいろと考えさせられる2試合だった。