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3泊5日で2試合の超強行日程は……。
FC東京の欧州遠征に選手からも不満が。
posted2017/07/30 07:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Kiichi Matsumoto
欧州サッカーにとって始動の時期となる7月。今年はドルトムント、セビージャが来日し、Jクラブと対戦した。
まだまだチーム立ち上げの時期で、フィジカルトレーニングすら始まっていない中でのアジア遠征は、いわば興行でもある。行った土地でイベントやサッカー教室でファンを楽しませ、テレビ放映を盛り上げ、スポンサーまわりをし、そして新規のファンを獲得すべく知名度アップ、もしくは定着のために分刻みのスケジュールを送る。
中国を訪れたシャルケやACミラン、インテルなどにしても状況は同じだ。名所をまわった様子をSNSで発信し、地元の共感を呼ぶ。選手たちも意図をわかっているから、さりげないコミュニケーションもおこなう。もちろん、普段接していない土地の人々に応援されるのは嬉しいことだから、選手たちもより積極的になる。体力的にも慣れない土地の慣れない気候も厳しいが、少しは息抜きにもなる。彼らが欧州以外の土地に試合をしにいくのは、そんな数多の意味合いがある。
FC東京がドイツへ行ったの、知ってます?
そして日本に欧州のクラブを迎えているのとほぼ同時期、FC東京はドイツを訪れた。
2年前にフランクフルトを訪れて以来、2年ぶりの欧州遠征。ルヴァンカップのプレーオフに回ってしまうことでスケジュールが詰まってしまう不運もあったのだが、これがなかなかの強行軍だった。
7月17日の夕方にミュンヘンに到着、練習開始。翌日も午前に練習、それも紅白戦15分2本を行い、午後にはミーティング、そしてミュンヘン郊外にバス移動してアウクスブルクとの親善試合へ。
深夜にミュンヘンに戻ると、翌19日も午前練習、そして今度はオーストリア方向の郊外に移動してマインツと親善試合。20日もさらに午前練習を挟んで、午後便で帰路についた。
運悪くというか、珍しくというか、FC東京が試合を行った2日間は今年のドイツの夏でも最も暑い部類の2日間だった。湿度こそ日本より低いが、日差しは眩しく、気温も30度前後と試合をするには厳しい条件だった。