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曹監督から見たら「もっとやれる」。
愛弟子・遠藤航の心には響いたか。
posted2017/07/01 07:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
2015年、冬。当時22歳だった遠藤航は1つの決断を下した。
「ACLに出場したいという気持ちがあったし、J1で常に上位争いをするチームで、大きなプレッシャーのある中でプレーすることが、今の自分にとって一番の成長につながると考えた」
ユース時代から8年を過ごした湘南を離れ、新たな挑戦の場としてJリーグで毎年優勝争いを演じている浦和への移籍を選択したのである。
それから約1年半が過ぎ、先日行われたW杯最終予選・イラク戦ではボランチの一角に入り、日本代表としてピッチに立っていた。的確な読みでゴール前のパスコースを切れば、運動量が落ちてくる後半に素早い攻守の切り替えでスペースを守る。さらなる成長を期して湘南から旅立った男は、埼玉の地で確かな歩を進めていることを証明していた。
浦和に来てからは順調に見える道程を歩んでいるが。
湘南から浦和へ。その年月を振り返りながら、自身の成長を遠藤はこう語っている。
「ロングボールや縦パスの精度は高くなったと思います。湘南の時はどちらかというと縦に速く行くイメージだったけど、こっちに来てからはつなぎの部分でタイミングがすごく求められるので、そこの柔軟さは成長した部分かなと。守備ではシンプルに1対1の強さが付いてきているし、守備時のプレーの幅や運動量などは成長していると感じています」
リオデジャネイロ五輪ではU-23日本代表の主将を務め、浦和レッズでは守備の要としてセンターバックのポジションを奪取。さらにA代表にも選出されるなど、遠藤の成長曲線が右肩上がりに進んでいるのは誰の目にも明らかである。
だが、この順調に見える道程に対して「もっとやれると思っている」と語る人物がいる。中学2年時から遠藤を知る男。湘南ベルマーレの曹貴裁監督である。