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安藤梢、7年半の経験を古巣浦和に。
ドイツと日本の「良い選手」の違い。
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph byTetsuro Kutsuwada
posted2017/06/07 07:00
長年なでしこの中軸として奮闘した安藤もベテランの域となった。海外での経験を将来有望な浦和の選手に伝えていくのも女子サッカーの糧となる。
池田、猶本、菅澤、そして長野風花らに好影響を。
浦和はリーグ戦の第10節を終えて5勝1分4敗の5位につけている。現在のなでしこジャパンには池田咲紀子、猶本光、菅澤優衣香らを輩出し、昨年のU-17女子ワールドカップでMVPを獲得した長野風花も在籍する。
世代別の代表を含めれば、メンバーの大半がその経験者だ。Jリーグでも有数の人気クラブを母体とし、充実した練習環境を持つ下部組織からは次々と選手がトップチームに昇格してくる。そういった点を踏まえれば、ポテンシャルの高さは疑いようのないチームだ。
そのチームの昨季までの戦いをドイツでもインターネットを通じて映像で見ていたという安藤は、結果へのこだわりをチームに伝播させていくことが必要な要素と感じているようだ。
「若くていい選手がたくさんいると思うので、そういう選手たちと一緒に自分も吸収しながら、経験を伝えながらやっていきたい。分からないところも多いけど、勝ち切れる試合を勝っていないというのは聞いているので。そこは自分にやれることがあると思うし、やらなければいけないと思う」
安藤が持つ経験を、有望な若手がどう感じ取るか。
チームで2009年まで在籍した安藤を知るのは前述した池田のみだ。当時、下部組織に所属ながらトップ登録されていた池田は、当時の安藤は「雲の上の人だった」と言う。ただその当時から「自分から勢いよく発信して、付いてこいというタイプの人ではないと思う」との印象を持っていたとも話している。
「自分たちが見ながら、得ていかないといけない」とも口にした。安藤が持つ経験を有望な若手に伝えれば、というのは分かりやすい要素だが、そのためには周囲の選手たちによる感じ取る力や意欲も必要になるだろう。