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大一番で川島永嗣起用に根拠あり。
ハリルの決断を支える6人の名参謀。
posted2017/06/06 17:00
text by
高橋夏樹(Number編集部)Natsuki Takahashi
photograph by
Getty Images
川島永嗣は毎日、ひとり森の中を走っていたという。
ベルギーのスタンダール・リエージュの契約を失い、「所属クラブなし」という状況に陥っていた2年前のことだ。
Number928号のロングインタビューで当時のこと、そして窮地を脱するに至るまでの心境を語ってくれた川島。
だがフランスのメスの契約を勝ち取ったあとも、第3GKとして苦しい立場は続いていた。公式戦出場はほとんどなく、日本での報道も数少なかった。
それでも、川島のことをちゃんと見ていた人々がいた。
ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督とチームスタッフたちだ。
3月のW杯アジア最終予選・UAE戦、そしてタイ戦。最終予選の初戦でまさかのホーム敗戦を喫し、つまずきのきっかけとなったUAEとのアウェーでのリマッチで、川島を起用してきたのはサプライズだった。
外国人と日本人でコンビを組むチームスタッフ。
またNumberの同号では、ハリルホジッチ監督のスタッフ6人全員の証言で、監督の目指すものを外側から浮き彫りにすべく迫っている。
彼ら6人は、立場ごとに外国人と日本人でコンビを組む形になっている。
コーチに、ジャッキー・ボヌベーと手倉森誠。
GKコーチに、エンヴェル・ルグシッチと浜野征哉。
コンディショニングコーチに、シリル・モワンヌと早川直樹。
それぞれの立場にとどまらず、対戦相手の分析や選手選考についても毎週の会議で熱い討論を繰り広げる。ハリルホジッチ監督の求めるキーワードは「完璧な準備」。ある選手が話題に上ったときに、監督が「彼はどうなんだ」と尋ねれば、すぐさま「では、この映像を見てください」と映像を見せられるほどの準備が行われているという。