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優勝経験なしでも、CL史上最高のGK。
ブッフォン「俺自身、一度は諦めた」
posted2017/06/02 11:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
今シーズンが始まる前、UEFAは公式ツイッター・アカウント上で、ファンによる投票形式のコンテストを行った。
問いかけは「チャンピオンズリーグ史上最高のGKは誰か?」。
ノイアーやカーン(ともにバイエルン)、カシージャス(ポルト)にドゥデク(リバプール等)ら名だたる守護神たちを抑えて、1位に輝いたのはユベントスのGKブッフォンだった。
だが、ブッフォンはCLで優勝したことがない。あの銀色の“ビッグイヤー”を両手で掲げたことがない。
スクデットもUEFA杯も、ワールドカップすらも制した珠玉のキャリアに、CLだけが欠けている。
2年前「もう叶わない夢か」と一度は観念した。
来年40歳になるブッフォンは、CLへの渇望を隠さない。4年前のインタビューで熱弁していた。
「おそらく俺は、あと5年はプレーできる。もしCLのタイトルと引き換えにできるのなら、そのうちの3、4年を喜んで差し出したい」
ブッフォンは、6月3日、カーディフで自身3度目のCLファイナルに挑む。相手は2連覇を狙うスペインの巨人、レアル・マドリーだ。
2年前、12年ぶりに臨んだ決勝戦では、バルセロナに1-3の完敗を喫した。涙はぐっと堪えたが、「もう叶わない夢か」と一度は観念したことを後に明かした。
しかし、ブッフォンは決勝戦の舞台に再び戻ってきた。
彼とユベントスが誇る鉄壁の守備陣は、今大会で690分間の無失点記録を打ち立てながら、ポルトやバルセロナ、ASモナコを破って勝ち上がってきた。
とりわけ、ホーム&アウェーともに完封したバルセロナとの準々決勝は、“サッカーにおける守備とは何ぞや?”という問いかけに対するひとつの完全解として、後世に語り継ぐべき死闘だった。