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WNBAで「トロフィー欲しいですね」。
渡嘉敷来夢、米3年目で未踏の地を。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2017/05/22 07:30

WNBAで「トロフィー欲しいですね」。渡嘉敷来夢、米3年目で未踏の地を。<Number Web> photograph by Getty Images

激しいマッチアップにも臆さない渡嘉敷。そのタフネスさを武器に、米国の舞台でも戦い抜く。

「3年目なので、もう失うものもないし、気持ちも楽」

 3シーズン目を迎えるにあたって渡嘉敷は、肩から力が抜け、リラックスした表情をしていた。

「プレッシャーがあまりなくなりましたね。1年目は初めての年で何やっても許されて、2年目は1年目の基本があるぶんだけ、やっぱ緊張したり、難しかった。チームにドラフト1位(ブリアナ・スチュワート)が入ってきて、プレータイムが減った中でのシーズンだった。

 (今年は)1年目の出来や2年目の出来も含めた3年目なので、もう失うものもないし、本当に気持ち的にも楽になりました」

 経験を積み重ね、自信もついてきた。昨季は同じポジションにスーパールーキーのスチュワートが入ってきた影響で出場時間が減り、自分の役割を模索したシーズンだった。それでも、リオ五輪を終えて戻ってきた後半戦には出場時間が増え、チームも成績を伸ばし、プレイオフ出場権も獲得した。そして自身初のWNBAプレイオフで負ける悔しさも味わった。これらの経験があったからこそ、今年も前向きな気持ちでシーズンを迎えていた。

自由に、本能に従ってプレーするようになってきた。

 ストームのジェニー・ブーサックヘッドコーチは去年、リオ五輪後にチームが成長を見せたのは、オリンピック休みの間にチームを分析し、方向性を再検討した結果だと言う。渡嘉敷に関しては、日本代表の試合も全試合見て、どう起用されているかも参考にしたのだという。

 ブーサックHCは、今シーズンを前にしての渡嘉敷の成長についてもこう語る。

「タク(渡嘉敷の愛称)は以前よりさらに慣れてきて、自信をつけてきている。自分の長所、運動能力を生かして、このリーグでどうプレーしたらいいのかもわかってきている。

 いつもプレーしている(日本の)リーグとは大きな違いがある中で、いつも正しくやりたいと考えるタイプなのだけれど、それでもだいぶ自由に、自分の本能に従ってプレーするようになってきた。彼女の将来は明るい。このリーグに慣れてきたことで、それがさらにはっきりしてきたと思う」

【次ページ】 自信があるかと言われたら、時と場合というか……。

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