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BリーグがNBAより面白いなんて!
「第3戦」という激アツなルール。
posted2017/05/23 08:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
まさか、日本のバスケットボールの方がNBAよりも、
「面白い!」
と感じる日が来ようとは夢にも思わなかった。
それが現実になったのである。
いま、日米ではバスケットボールが佳境を迎えている。NBAはカンファレンス・ファイナルが進行中で、イースタン・カンファレンスはセルティックス対キャバリアーズ、ウェスタン・カンファレンスは、ウォーリアーズ対スパーズが行われている。
ところが、セルティックスのアイザイア・トーマス、スパーズはトニー・パーカー、カワイ・レナードという主力選手に故障者が出ていることもあって、キャバリアーズ、ウォーリアーズの一方的な展開が続いていて、見ている方も途中で緊張感が切れてしまうほど。
ハッキリ言えば、面白味がなかった。
ようやくNBAらしい試合となったのはイースタン・カンファレンスの第3戦で、崖っぷちのセルティックスが敵地で最大で21点あった差をひっくり返し、最後は108-108の同点から、セルティックスのエイブリー・ブラッドリーの3ポイントシュートがリングに嫌われるかと思った瞬間、ボールがネットに吸い込まれた(この時点で残り0秒1!)。
ようやくNBAらしい試合が観られ、やっと溜飲が下がる思いがしたのだが、今季のプレーオフでは大差の試合が多く、チーム間の実力差が大きく開いてしまった印象がある。
「第3戦」というBリーグ大成功の秘訣。
一方、スタート1年目のBリーグの「チャンピオンシップ」準決勝は大成功を収めた。
川崎ブレイブサンダース対アルバルク東京と、栃木ブレックス対シーホース三河の顔合わせは両シリーズとも第3戦にもつれ込む劇的な展開となり、川崎と栃木が決勝に駒を進めた。
盛り上がった要因は、「第3戦」という仕組みにある。
Bリーグではチャンピオンシップで1勝1敗になった場合、15分間の休憩をはさんですぐに前後半5分ずつの「第3戦」を行う方式を採用した。
これが「大当たり」となった。
第3戦とは言っても、第2戦からの流れがあり、完全にリセットというわけにはいかない。両シリーズとも、「切り替え」がひじょうに重要な試合となった。