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WNBAで「トロフィー欲しいですね」。
渡嘉敷来夢、米3年目で未踏の地を。
posted2017/05/22 07:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
「3人目は嫌。1番がいい」
そう言うのは、日本人3人目のWNBA選手の渡嘉敷来夢(シアトル・ストーム/JX-ENEOS サンフラワーズ)。自他ともに認める負けず嫌いだ。
2年前、ロサンゼルスでの試合後に行われたファン・イベントでのQ&Aセッションでのこと。過去に、日本人としてWNBAを経験した2人の先輩選手たちがいたことが励みになったかと聞かれた渡嘉敷の返答は、ありきたりの優等生のコメントではなかった。
「自分は負けず嫌いなので、3番目っていうところはあまり気に入っていないです」
そう言い切った後で、続けて語った。
「2人は先輩なので、色々と話を聞いて、それをこっちで生かしてやろうと思ってアメリカに来ました。2人が成し遂げられなかったことを、自分が成し遂げてやると思って、今も頑張ってます」
萩原、大神に続く日本人3人目のWNBAプレーヤー。
日本人WNBA選手1号の萩原美樹子はWNBA創立1年目の1997年にサクラメント・モナークスに加入、シーズン途中でフェニックス・マーキュリーにトレードされ、翌シーズン半ばで帰国した。2人目の大神雄子は2008年シーズンにフェニックス・マーキュリーのロスター入りを果たし、23試合出場した。その後、何度か挑戦したものの、2回目のシーズン登録には至っていない。そんな彼女たちの無念さを晴らし、日本人選手でもできるというところを見せたいというのが、渡嘉敷の目標のひとつだった。
5月13日、渡嘉敷はシアトル・ストームの一員として、3シーズン目のWNBA開幕を迎えた。WNBAでの3シーズン目は日本人選手未体験の領域だ。
冬には日本でWJBLのシーズンを戦い、春になったらシアトルに移り、夏過ぎまでWNBAのシーズンを戦う。その合間には日本代表にも合流し、エースとしてチームを引っ張る。年中休みがない忙しい日々だが、違う国、違うリーグ、違うレベルの中でプレーすることが渡嘉敷には刺激になっている。