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ハメスとイスコはレアルを去るのか。
ジダンの起用問題にバルサまで参戦!?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2017/04/13 11:30
イスコが抱えた子供をなでるジダン。しかしたとえ人間関係が良好でも、試合で自分を使わない監督に好意を持つ選手は多くない。
終盤の起用次第では、契約延長の拒否も。
このままマドリーに残ったところでジダンは自分をどれほど使うのだろう。
イスコの今シーズンの全公式戦出場時間も少なく、23人の中では下から9番目だ。CLに絞ると、これまでの8試合でピッチに立たせてもらったのはたったの77分間。ハメスよりはましだけれど、望みどおりのチャンスを与えられていないという点においては全く同じである。
そこでイスコは重要な試合が続くシーズン終盤のジダンの采配を見て、契約延長にサインをするかどうか決めることにした。
イスコはそもそも、マドリーよりバルサ派だった。
契約延長を拒否する場合、イスコの前には2つの道が開かれる。
ひとつは今年の夏の移籍。そうと決めたらプレミアやセリエAからオファーは殺到するだろうし、移籍金が発生するいまならマドリーも嫌とは言えない。行き先を選ぶに当たってはマドリーの意向も考慮しなければならないが、来シーズンは確実に試合に出られるというメリットがある。
そしてもうひとつは'18年夏の契約満了を待つというもの。
こちらの道は険しい。なかなかピッチに立てない状況にもう1年我慢しなければならないからだ。来シーズンの後にはロシアW杯が待っていることを考えると、簡単には受け入れられない。
ただし、代わりに自分が本当に行きたいクラブへ移籍する自由が得られる。
この条件下で出てきたのが、バルサの名前である。
イスコはバレンシアのBチームに属していた頃、バルサのユニフォーム姿で写真におさまり、地元のスポーツ紙のインタビューに応じて次のように語ったことがある。
「子供の頃からマドリーは好きじゃなかった。ややアンチマドリディスタといったところかな。将来どこでプレイするかわからないけれど、マドリーが好きだったことは一度もない。選手の様子を見ていると、傲慢なクラブって感じがするんだ。謙虚な姿勢なしで成功はあり得ないよ」
その上、憧れの選手はイニエスタで、家族の提案だったとはいえ愛犬の名前はメッシ――。