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変化を選んだユーベ、変らぬバルサ。
CLで「3-0」の価値は次戦でわかる。
posted2017/04/12 21:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
「レオ(メッシ)はもうCLのタイトルをたくさん持ってる。今年の大会は俺たちが勝ちとる番さ」
快活な宣戦布告の主は、ユベントスの若きエースFWディバラだ。
2年前のファイナルの再戦となったCL準々決勝1stレグは、ユベントスがバルセロナを3-0で一蹴した。
ただし、FWディバラを筆頭とするユーベの面々に、先勝に浮かれた様子は微塵もない。
たとえ初戦で4点奪われようが逆転は可能だと全世界に証明したのが、他ならぬバルセロナだからだ。
セミファイナルへの切符は19日の2ndレグが終わるまで、まだ誰の手にもない。
ユーベの指揮官アッレグリは、初戦の先発にFWディバラにFWイグアイン、FWマンジュキッチら攻撃の選手5人を並べる超攻撃的布陣“チンクエ・ステッレ(5ツ星)”を敷いた。
一方のバルセロナは中盤のキーマンであるMFブスケッツを出場停止で欠いた。監督ルイス・エンリケは代役にMFマスチェラーノを立て、敵地での初戦に3-4-3で臨んだ。
早い時間で均衡が崩れれば、ゲームは動く。
汗ばむ陽気の春の夜、ユーベは試合開始直後から獰猛だった。
キックオフからわずか30秒後にMFケディラが初シュートを放ち、3分にはFWイグアインも続いた。
勢いをつけたユーベは、早くも7分に先制点を奪った。
右サイドのMFクアドラドからパスを受けたFWディバラが、クイックに左足を振りぬく。ボールは鋭くゴール左隅に飛び込んだ。
2人の指揮官の脳裏には、2年前のファイナルで開始4分にバルセロナMFラキティッチが奪った先制点が蘇ったのではないか。好対照な2チームの対戦で早い時間帯にスコアの均衡が崩れれば、ゲームは否応なしに動く。