球体とリズムBACK NUMBER
ACL1勝につきボーナス5000万円!
中国勢の「札束を燃やす」強化策。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2017/03/13 08:00
中国初お披露目となったACLプレーオフでゴールを決めたオスカル。浦和は上海上港の豪華攻撃陣を止められるか。
ACLで1勝すれば、5000万円ものボーナスを約束。
W杯で頂点に立った経験を持つ68歳のブラジル人指揮官は、「フットボールに50年以上携わってきたが、今日、選手たちが示してくれたチームスピリットは私が見てきたなかで最高のものだ」と試合後に語り、能力の高い個々がひとつにまとまっていることを強調する。
また、会場に詰めかけた約4万8000人の観衆には「最後まで共に戦ってくれた。感謝している」と伝えた。彼らはスタンドに赤い要塞を築いて、相手チームを威圧する。
前節、グループ最弱と目される香港のイースタンと敵地で引き分けた川崎にとって、今回のアウェー戦は敵の力量も会場の雰囲気も別次元になる。グループ突破の望みをつなぐには、なんとしても接戦を演じたいところだが、相手のフロントはACLでの1勝に対してチームに300万元(約5000万円)のボーナスを約束しており、グループステージで敗退した昨季の汚名返上に燃えている。
江蘇はラミレスの視野と球際、テイシェイラに注意!
吹田に乗り込んでくる江蘇はこの中で唯一、CSL第1節を落とした。カルロス・テベスを擁する上海申花に0-4の完敗を喫し、先行きに不安を残している。ただし、この試合には元チェルシーで絶対軸のラミレスが欠場しており、前述のマレン記者によると「エースのアレックス・テイシェイラが孤立する場面も多かった」という。
プレシーズンには沖縄で北海道コンサドーレ札幌と練習試合で対戦しており、河合竜二は「ラミレスの視野の広さと戦術眼、球際の強さは別格。テイシェイラは動きがものすごくシャープだった」と教えてくれた。
ACLではここまで2戦2勝の首位。昨季のCSL準優勝チームは強敵に違いないが、抑えるべきポイントははっきりしている。G大阪としては、テイシェイラが急先鋒となる高速カウンターに注意して、勝機を見出すべきだろう。
日本勢の躍進を期待しつつも、世界の一線級のパフォーマンスにも目を奪われそうだ。贅沢なウィークデーを堪能したい。