球体とリズムBACK NUMBER
ACL1勝につきボーナス5000万円!
中国勢の「札束を燃やす」強化策。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2017/03/13 08:00
中国初お披露目となったACLプレーオフでゴールを決めたオスカル。浦和は上海上港の豪華攻撃陣を止められるか。
ビラスボアスは“浦和の裏”を狙ってくるかも。
39歳のポルトガル人指揮官が率いるチームは、今季初戦となったACLプレーオフから好調を維持しており、国内外で全勝。筆者の元同僚で、現在は香港最大の英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』でスポーツを担当するアンドリュー・マレン記者によると、「新加入のオスカルを含め、ブラジル人の3人は数年来のチームメイトのように見事な連係を披露」し、長春亜泰とのCSL開幕戦でも5-1の逆転勝利の原動力となった。
野心高き戦術家がトップ下のオスカルを中心に据えた組織的なチームは、今季CSLの優勝候補のひとつに挙げられている。そしてACLでも万全の状態で浦和とのグループF首位決戦に臨むのではないか。
「相手陣内でプレーし続ける」ことを標榜する浦和も、上海体育場ではそうもいかないだろう。スカウティングに長じるビラスボアスは、相手が高い位置から押し込もうとすれば、あえて裏への逆襲を狙ってくるかもしれない。
中国と日本を代表する深紅のチーム同士の対戦は、現時点における東アジアのトップクラスの激突と言える。熱戦は必至だ。
川崎の相手、広州恒大はおとなしめの補強だが……。
ホワイトデーに川崎をホームに迎える広州恒大は、言わずと知れたCSLの盟主である。昨季までリーグを6連覇しているチームは、2013年と2015年のACLの覇者でもあり、この大会の経験において頭一つ抜けている。
今オフの移籍市場ではおとなしかったが、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督が束ねるチームには、クラブW杯優勝経験のある現役ブラジル代表のパウリーニョ、昨季のリーグ得点王リカルド・グラール、一昨季のヨーロッパリーグ最多得点者アラン・カルバーリョと、こちらも3人のブラジル人が在籍。
ポルト時代にポルトガル・リーガで3季連続トップスコアラーとなったジャクソン・マルティネスでさえ出場機会が得られない豪華なチームは熟成路線を歩み、北京国安とのリーグ開幕戦では13枚のイエローカードと2枚のレッドカードが飛び交う激戦を制した。