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CL大量失点、謎のサンチェス外し。
「ぬるま湯」化したベンゲル采配。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/03/11 11:30

CL大量失点、謎のサンチェス外し。「ぬるま湯」化したベンゲル采配。<Number Web> photograph by Getty Images

手塩にかけた若手と、各国の名手を融合させる路線で戦い続けたベンゲル。しかし主力の心をつかめなければ、持ち味の攻撃的スタイルは輝かない。

試合前から「ベンゲル退任を!」の声も出ていた。

 試合当日の先発メンバー表にはサンチェスの名も刻まれた。そしてセオ・ウォルコットのゴールで先制したものの、またしても守備が崩壊し、5失点。合計スコアは惨敗という言葉では屈辱を表現しきれない「2-10」で敗れ、7シーズン連続での16強敗退となった。

 ベンゲルは「バイエルンと渡り合える実力を示した」と、1点リードで終えた前半の出来を強調し、「審判に息の根を止められた」として、ローラン・コシェルニーの退場処分からオフサイドの見落としまで、後半の不利な判定を嘆いている。だが、ロベルト・レバンドフスキに決められたPKは仕方がないとしても、同時に数的不利を背負っていながら、失点を最小限に抑える意識も術もなかったアーセナルは、自ら崩壊したと言えなくもない。

 72分までピッチ上にいたサンチェスは、第1レグにも増して身振り手振りで周囲への苛立ちを示していた。しかしエミレーツ・スタジアムでの再びの大敗に、サンチェスの心もまた、ベンゲルのアーセナルから遠退いたに違いない。

 試合前にはホームに向かう観衆のうち数百人が「ベンゲル退任を望む!」と声を上げながら行進し、試合終了の笛が鳴ると、大半は審判への抗議だったとしてもブーイングがこだました。

 ピッチ上で繰り返されるパフォーマンスに耐えかねるファンが増える中、ベンゲルのアーセナルには、来季以降は「敢えて続けない」決心が指揮官に求められている。

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