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次世代サッカーの呼び声も今は昔。
アフリカネーションズ杯の没落。
text by
ティエリー・マルシャンThierry Marchand
photograph byGABRIEL BOUYS
posted2017/02/22 08:00
ネーションズカップ7回優勝のエジプトに次いで優勝回数で2位(5回目)につけたカメルーン。
前回王者にそもそもモチベーションが無かった?
ルナールのもと前回優勝を果たしたコートジボワールは、1勝もあげることなくグループリーグで大会を去った。ロシアワールドカップ予選では、死のグループ(モロッコ、マリ、ガボン)に入りながら首位をキープするチームにとっては意外な結果だった。
たしかに前回の優勝の立役者で、チームの大黒柱であったトゥーレ兄弟やGKコパ・バリーは代表を引退した。またジェルビーニョも負傷で大会を欠場した。ただ、それ以上にモチベーションの欠如が問題であり、コレクティブな結合力をチームは欠いていた。
「ワールドカップ予選とはまったく別のチームだった」と、昨年10月のワールドカップ予選でマリ代表を率いて苦杯(1-3)を舐めたジレスも述べている。
「彼らには過信があったのではないか」とルロワはいう。
「2015年から無敗で、この大会も難しくはないと。もうひとつはアルジェリアもそうだが、技術レベルの高いチームは劣悪なピッチが大きなハンディキャップになる」
欧州CL出場を控える選手達は……全力でプレーできない。
ピエール・エメリク・オーバメヤンやリヤド・マフレズ、セルジュ・オーリエ、サディオ・マネといった今日のアフリカを代表するスター選手たちには、多かれ少なかれ失望せざるを得なかった。
マネはグループリーグでは印象深かったが、カメルーンとの準々決勝ではPKを外し、敗退の戦犯となってしまった。
他の3人はどうだったか。
ときに輝きも見せた(ジンバブエ戦で活躍したマフレズや、大会2得点のオーバメヤンなど)が、エースとしてチームを準々決勝に導くことはできなかった。彼らに共通するのは、ともにチャンピオンズリーグのベスト16ラウンドを控えていることである。
「大会に参加した選手の中には、クラブのプレッシャーを受けながら頭の中では別のことを考えていたものもいた。だから全力で大会に臨めなかった。(ヨーロッパのリーグ戦が継続中の)開催時期も悪く、どんどん大会そのものが難しくなっている」とジレスは分析している。