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相手のフリースローを外させる観客。
Bリーグ栃木ブレックスの熱が凄い。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2016/10/29 11:00
Bリーグが発表しているツイッターランキングでも、アルバルク東京と栃木ブレックスは1位と2位の人気チームだ。
Bリーグの頂点を争う2チームの対戦はやはり激戦に。
3つの地区にわけられたB1リーグの東地区に所属する栃木とアルバルク東京(昨季NBLで勝率1位)の対戦は、頂上対決だ。彼らは東地区のトップというだけではなく、Bリーグ全体でも優勝を争うチームと目されている。
その2チームの直接対決が、10月22日と23日に2日続けて行なわれた。22日は、96-76でホームの栃木に軍配があがった。
23日の試合でも、栃木がリードを保ちながら試合終盤まで進んでいた。ただ、最終第4クォーターの残り8分58秒でアルバルクの3Pが決まって5点差になってからは、常に5点差以内で試合は推移していく。アルバルクに詰められれば、栃木が引き離しにかかる。緊迫したシーソーゲームだった。
しかし、残り1分を切ったところでアルバルクのエース田中大貴の3Pシュートが決まり、同点に。NBAでのプレー経験もあるディアンテ・ギャレットのゴールが決まり、逆転。最終的には80-84というスコアで、アウェーのアルバルクが熱戦を制した。
Bリーグの初代王者を争う両チームの対戦とあって、この日はブレックスアリーナに過去最多のファンが訪れ、2階の自由席の後方の立ち見エリアには3重、4重の列が出来た。立ち見の自由席でさえ売り切れて、泣く泣く入場をあきらめるファンも出たという。
フリースローのブーイングは、本当に凄い。
4つに分けられたクォーターの合間、タイムアウトの最中も、ブレックスアリーナにはファンを飽きさせない仕掛けが用意されている。場内のビジョンに映し出されたファンが「エアギター」を披露したり、大きな声を出してそれが一定の大きさに達したらプレゼントのあたるボールが席に投げ入れられたりする。もちろん、他のクラブと同様にチアリーダーがダンスを披露するシーンもある。
何よりもすごいのは、フリースローのときだ。ブレックスの選手が打つときには静かに見守っているのだが、相手チームのフリースローのときには力の限り“邪魔”をする。
パターンとしては大まかに2つ。1つ目が、スタンダードなブーイングで、「ブー」という声を出していく。このとき場内のビジョンには「Booo!」と表示されており、初めてのお客さんでもブーイングをすれば良いことが一目でわかる。
もう1つが、足を地面にバタバタと踏み込んで、スタジアムを揺らしながらのブーイングだ。場内のビジョンには「地団駄カウンター」なるものが表示され、その音量がどのくらいの大きさなのかを測るゲージがある。ファンたちはゲージが上がっていくまで足をドタバタし続ける。