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相手のフリースローを外させる観客。
Bリーグ栃木ブレックスの熱が凄い。
posted2016/10/29 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Getty Images
新しい枠組みのなかで、懐かしさを覚えるような人のぬくもりがある。
Bリーグの優勝候補である栃木ブレックスは、相反する2つのものを兼ね備えているから、人を惹きつける。
彼らの魅力は、日本バスケットボール界の顔である田臥勇太がいるから“だけ”ではない。
書いては、悩む。書いては、直す。
栃木ブレックスのチアリーダー・グループ「BREXY」の一員になって6年目を迎えるKAORIは、丁寧に1枚のプリントを仕上げていく。学級新聞のように、すべて手書きで作られたプリントだ。
ブレックスアリーナで配られる「BREXY通信」には、新商品や会場を訪れるゲストの告知、選手がゴールを決めたときにファンがとるべきポーズの紹介、そして観戦に訪れたファンへのメッセージが書き込まれている。
書き方に迷うようなコーナーはそれほどないのに、KAORIがそれを完成させるまでに1週間はかかってしまう。想いがつまっているからだ。この時代には珍しい手書きのプリントも、会場に訪れるファンの楽しみになっている。
「最近はファンのみなさんのなかにも『BREXY通信、ください!』と言ってくれる人も増えてきて、それが本当に嬉しくて。楽しみにしてらっしゃる方がたくさんいるので、喜んでもらえるようにと思って、必死に書いています! それでついつい、時間がかかってしまうんですけど(笑)」
リーグの先進性と、人の心が通った熱。
Bリーグはリーグとして放映権を一括管理し、チケット販売に関するデータも一括で請け負うことで、マーケティングやファンの拡大に活かしている。開幕戦でも、史上はじめてというLEDの光でバスケットボールのコートを作り、InstagramをはじめとしたSNSによる広報活動も盛んだ。
そして栃木ブレックスのブレックスアリーナには、リーグとしての先進性に加えて、人の想いと心の通った熱がある。だからこそ、Bリーグでトップクラスの魅力にあふれている。